ぶたぞーブログ

みなさんに豚肉を中心としたすべての肉をおいしく、賢く食べていただきたいです。豚道の道のりはとてつもなく長そうですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。肉業界の裏話などもしています。

豚肉が緑に変色してるなんで?

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どうもぶたぞーです。とても暑い日が続いてますね。

皆さん冷蔵庫や冷凍庫に保存していた豚肉が緑色っぽくなっていたことってないでしょうか?

こんな時は、もったいないけど捨てたり、濃いめの味付けをして無理して食べた方もいるかもしれません。

そもそも何故緑色に変色してしまうのか?食べてしまったらどうすれば良いのか?調べてみました。

緑色の原因は乳酸菌

豚肉に含まれるミオグロビンというタンパク質が、2段階酸化されて緑色のタンパク質となることが原因だそうです。

ミオグロビンは肉の色を決めているタンパク質です。酸化することにより、変化し、色も酸化の段階に応じて変わります。

ミオグロビン(赤)⇨メトミオグロビン(褐色)⇨コールミオグロビン(緑色)


では、ミオグロビンを酸化させる原因はというと乳酸菌です。ヨーグルトに含まれていて、良いイメージのある乳酸菌ですが、肉の表面に付着するとミオグロビンを酸化させて最終的にに緑色を帯びるコールミオグロビンにしてしまうのです。


乳酸菌がいつどこで豚肉に付着するのかというと、豚肉加工工場内で豚肉の加工中に付着します。

乳酸菌については、(2008年9月発行)乳酸菌による工場汚染と食品の変敗が詳しかったです。

豚肉に関する部分の要点ですが、乳酸菌は、思った以上にどこにでもいる菌のようです。

人の口の中や腸の中に含まれていたり、豚肉の腸の中にも含まれており豚肉加工工場内でどんなに気を付けても乳酸菌の汚染をゼロにすることはほとんど不可能です。

しかも、乳酸菌は消毒剤などにも強く、工場内の殺菌や消毒をしても完全に死滅させることが難しいです。

さらに、乳酸菌は5℃程度の低温であっても増殖することが可能なのです。

そのため、冷蔵庫に入れていても、豚肉に乳酸菌が通常より何らかの原因で多く付いていた場合は、乳酸菌が増殖してミオグロビンをコールミオグロビンまで変化させてしまい緑色になってしまうことがあるのです。

緑変色の豚肉は安全なのか?

緑に変色した豚肉をあえて食べる人はあまりいないと思いますが、気づかないで食べてしまった時は大丈夫なのでしょうか?

結論としては、多分大丈夫ですが、食べるのはやめておいた方が良いでしょう。ただ、緑の原因のコールミオグロビン自体は毒性あるわけでなく、体に悪影響は与えません。そのため、万が一食べてしまっても特に体調が悪くならければ何も問題がないケースがほとんどです。

なので、もし食べてしまったという方がいても、必要以上に心配する必要はないです。経験則で申し訳ないですが、私は食肉業界に約10年いますが、緑に変色した肉(グリーンミート)を食べて体調が悪くなったと言う話を聞いたことがありません。

ただ、敢えて食べる必要性は全くないので、豚肉が緑に変色していたら食べるのはやめましょう。乳酸菌が増殖していた豚肉は何らかの原因で、乳酸菌を含めて雑菌が通常より多く付着している可能性が高いです。

そのため、通常の鮮度の良い豚肉に比べてリスクが高いです。当たり前ですが…

しかも、賞味期限内に変色したのであれば、買ったお店に変色した豚肉を持って行けば、返金してもらえます。なので、無理して食べる必要は全くありません。