ぶたぞーブログ

みなさんに豚肉を中心としたすべての肉をおいしく、賢く食べていただきたいです。豚道の道のりはとてつもなく長そうですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。肉業界の裏話などもしています。

ウインナー、ハム、ベーコンは危険?

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どうもぶたぞー です。

今日はウインナー、ハム、ベーコンで馴染みの深い加工肉の安全性について探ります。

体に悪いから食べない方がよいとか、癌(がん)になるとか目にしませんか?

雑誌で特集されたりもしますよね。


でも、結局何が危険で、どうすれば良いのでしょうか?

私なんか特にそうですが、もうずいぶん沢山食べてきちゃってるんですけど、、、

って不安になりますよね。

目次

普通の日本人にとっては加工肉は安全

いきなり結論ですが、加工肉はほとんどの日本人にとって危険ではありません。

それはそうですよね。

そんなに危険なものが日本で堂々と合法的に出回ることなんてありません。


私たちの両親や祖父母も昔から加工肉を食べてきました。

彼らの多くは、元気に過ごしているのではないでしょうか。

では、なぜ加工肉は危険と言われだしたのでしょう?

加工肉が危険と認識された発端

それは、2015年のWHO(世界保健期間)発表で発がん性との関連を指摘されたことです。

2015年、国際がん研究組織 (IARC)が、加工肉や赤肉(牛、豚肉の生肉)は人に対して発がん性がある(Group1)と位置付けました。

このGroup1には、喫煙やアルコールも位置付けられています。


そこで、喫煙と加工肉を食べることが同じくらいの癌(がん)リスクだと一部報道されました。

後述しますが、もちろん喫煙と同じリスクではありません。


また、それほど報道されませんでしたが、2009年にも同様の報告がなされています。

世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)は、加工肉や赤肉(牛、豚肉の生肉)の摂取が大腸がんリスクを高めることが「確実」と発表しています。


世界的に権威のある団体に何度も加工肉はがんの発生と関連があると指摘されていることは事実です。

なので、加工肉に全くがんリスクがないとは言えなさそうです。

では、どれぐらいのリスクなのでしょう?

リスクの度合い

以下の要因ががん死亡の起因となった人の人数(全世界/年)
 
喫煙  100万人
アルコール 60万人
大気汚染  20万人
加工肉   3.4万人

*参考 国立がん研究センター赤肉・加工肉のがんリスクについて|国立がん研究センター

喫煙する人の母数は、加工肉を食べる人の母数よりずっと少ないでしょうから喫煙のリスクと比較して私の勝手な推定で300分の1程度と言っても良いと思います。

*喫煙する人 : 加工肉を食べる人 = 1 :10(私の体感ベース)

リスクは小さそうですが、加工肉の何が危険なのでしょう?

加工肉の何が危険

3種類の化学物質が大腸がんリスクを高めると言われています。

それは、①ヘム(赤身肉に多く含まれる赤い色素)硝酸塩と②亜硝酸塩(加工肉の鮮度維持・防腐目的で使用)と③複素環式アミンと多環式アミン(肉を高温調理する際に生成される物質)です。

この3種類の物質が腸の細胞にダメージを与えている可能性があり、このダメージが長期間積み重なるとがんリスクが高まるようです。
    
    

リスク(危険)に対応する方法

3つの方法があります。

1つ目はバランスの良い食生活をして、人間ドックや健康診断を少なくとも年1回は受け、問題があれば治療することでしょう。

加工肉の話どこいった?と思われるでしょうが、圧倒的にこの当たり前のことが対応として有効です。


2つ目として、食べる量を1日あたり平均70gに抑えることが有効です。

ちなみに、日本人の平均は63g(赤肉50g+加工肉13g)です。

なので、この基準内で抑えられている人がほとんどでしょう。


英国政府のガイドラインとして、1日あたり赤肉と加工肉の合計摂取量を1日あたり70gに抑えることを推奨しています。

日本人を対象にした研究報告では、加工肉とがんの関連性は明らかになりませんでした。

ただし、赤肉では関連性が認められ、男性で1日あたり100g以上食べる人達、女性で1日あたり80g以上食べる人達でがんリスクが高まったと報告があります。

2011/11/28 赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて | 多目的コホート研究(JPHC Study) | 国立がん研究センター 社会と健康研究センター


70gは、ウインナーにして約4本になります。

つまり、肉をウインナーだけで摂取するとしたら、週で考えると1週間で28本までなら、問題ないです。

私の感覚で言うと、日本人でこんなに加工肉や赤肉を食べる人は滅多にいません。

なので、よっぽど肉好きな人以外は気にする必要ないです。


3つ目は、無塩せきの加工肉を食べるようにすることです。

亜硝酸ナトリウムを使用しない製法で作られた加工肉が、スーパーなどでも普通に売られています。

無塩せきと表示されることが多いです。

有名なブランドとしては、信州ハムのグリーンマークブランドでしょう。


無塩せきのウインナーやハムなどは、白っぽい色になります。

これは、亜硝酸ナトリウムの発色効果がなくなるためです。


ただ、無塩せきの加工肉を食べることによる効果は非常に小さいと思われます。

通常の加工肉でも、亜硝酸ナトリウムの使用量は、国際的な期間が定めた安全基準を遵守していますし、日本の法律はこの国際的な基準よりもずっと少ない量しか使用が認められていません。

まとめ

・日本人にとって、加工肉は安全
・権威のある国際的な団体が何度も加工肉が癌(がん)リスクとなると指摘
・リスクは、喫煙の300分の1ほど
・発がん性が疑われている物質は加工肉の中の以下3つ
①ヘム硝酸塩
②亜硝酸塩
③複素環式アミンと多環式アミン
・リスクに対応する方法は、結局バランスの取れた食生活と定期検診に行くこと

結局は、そんなに気にせず普通にウインナーもハムもベーコンも食べて良いと思いますって話でした。