どうもぶたぞーです。
最近サピエンス全史とホモデウスを読みました。
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来
一言で言うと、「歴史を知り、未来を推察することで私たちの未来を幸せなものにしよう」と言った内容でした。
この事を豚肉に当てはめて考えてみようと思いました。
日本の豚肉の歴史を知り、その未来を推察することで私のやるべきことが見えてくるはずです。
その未来が豚肉を食べる人達の幸せにつながるのかを考えてみます。
目次
日本の豚肉ヒストリー
統計データのある50年前の1965年から、日本の豚肉の歴史を振り返ります。
1グラフで表すとこうなります。
これが日本の豚肉の歴史です。
農水省の発表しているデータを元にエクセルで作成してみました。
???だと思いますので、1つずつ説明していきます。
この50年で豚肉を食べる量は増えた
まずは、棒グラフを見てください。
下が青で、上が赤で積み上がっている棒グラフです。
この棒グラフは、その時、日本で消費された豚肉の量(万トン)です。
青は国産豚肉の生産量で、赤は外国産豚肉の輸入量です。
50年前から一貫して、日本での豚肉消費量は増えています。
小学校で食の欧米化が進んでいると習いましたが、確かに進んでいたんだなとわかります。
なんなら、今現在も欧米化が進んでいるのです。
グラフでは示しませんが、魚の消費量は一貫して減っています。
最近は流石に食の欧米化はひと段落してるだろって思われないでしょうか?
実は、肉に関してはひと段落してないです。
いきなりステーキの急成長は、記憶に新しいでしょうし、高齢者でも肉を食べた方が健康に良いといった意識も最近定着してきています。
実際統計データで見て、半世紀に渡って、豚肉の消費は順調に増えていたんですね。
食肉業界にいて、毎年毎年豚肉の売上は増えていたけど、日本全体でもそうだったんだと驚きます。
この50年で豚肉の輸入量はどんどん増えた
この棒グラフよく見ると、赤が急に増えたことがわかります。
赤は外国産豚肉の輸入量です。
50年前は、全く輸入されていなかった外国産豚肉は、今や日本の消費量の半分以上になっています。
スーパーやお肉屋さんで、当たり前に外国産豚肉を見かけるのも頷けます。
外国産豚肉が売れている理由についてはこちら
国産豚肉はこれ以上つくれない
棒グラフの青は、約30年前の1985年がピークで、1995年からはほぼ横ばいです。
青は国産豚肉の生産量です。
日本の養豚産業は、農家戸数が毎年減っている状況が続いています。
1農家あたりの生産頭数が増えているので、全体の頭数や生産量は横ばいです。
ただ、日本の養豚産業は儲かる業界でもないですし、国や大手食肉会社の動向をみていても今後生産量がはっきり増えていくことはないでしょう。
つまり、国産豚肉は、これ以上つくれないのです。
国産豚肉についての記事はこちら
国産豚肉産業の未来は明るいのか? - ぶたぞーブログ
豚肉の未来
日本の豚肉の消費量はまだ増える
先程も少し書きましたが、豚肉というか肉の消費量が今後も伸びていきます。
2015年に発表されたOECDとFAOの農業予測でも、2024年までは1人あたりの豚肉消費量が増えると予測されています。
人口減少もあるので、2024年まで日本全体の消費量が増えるかはわかりません。
ただ、あと2、3年は日本全体の消費量は増えると思ってます。
実際肉ブームは年々強くなっています。
熟成牛ブーム、いきなりステーキブームや肉フェスなど毎年のように肉関連のブームが起きます。
なんでなんでしょう?
やっぱり肉は最高!おいしいからでしょうか、、、、
きっと、日本の肉文化がまだ未成熟で伸びしろが沢山あるからでしょう。
業界に携わる者として強く感じるのは、日本の食肉文化は全然成熟していないということです。
まだまだ、そもそも肉をおいしく食べる方法などの情報の質が低いです。
このブログも全く自慢できる質ではないですが、、、
何より、そういった情報が全然普及していないです。
肉をおいしく食べる関連の記事はこちら
家で食べるサイコロステーキ の上手な焼き方 - ぶたぞーブログ
そもそも、豚肉の加熱安全基準からして食肉大国のアメリカと違います。
豚肉加熱基準
日本 75度1分
アメリカ 63度3分
豚肉の加熱についてはこちら
生焼け豚肉は食べても大丈夫? - ぶたぞーブログ
アメリカは、安全を確保しながら、おいしく食べる方法を考えて基準の見直しをしています。
日本では、安全基準の見直しなんて聞いたこともありません。
ただ、食肉文化の成熟が進めば、基準なども変わるのでしょう。
実際、魚食の文化が成熟している日本では、肉業界視点で見るとありえないぐらい攻めた基準があります。
食あたりになる可能性のある蠣(カキ)は、普通に売られています。
ふぐも、資格をもった人が捌いたものであれば流通します。
イギリスでは、ふぐの販売自体が禁止のようです。
イギリス人にとっては、危険を冒してまで食べる必要がないとの判断でしょう。
要は、その国国民の食べたいという強い思いが制度をも動かしているのが食文化なのです。
日本人は少し危険をおかしてでも蠣(カキ)やふぐを食べたいのです。
ただ、まだ肉に関してはまだまだです。
長々と書いてしまいましたが、日本人は豚肉をもっとおいしく食べられる余地を残しています。
そのため、あと数年間は豚肉の消費量は伸びると確信しています。
自給率はもっと下がる
2018年で既に豚肉の自給率は49%と過半を割りました。
今後は、まだ増える豚肉の需要を外国産豚肉でまかなうはずです。
つまり、自給率はもっと下がります。
マクロな視点で見ると、私たちは去年以上にこれから豚肉を食べることなります。
そして、その増える分の豚肉は外国産になります。
もちろん、ミクロな視点で見て、私は国産豚肉しか食べないと決めて行動すれば外国産豚肉を食べることにはなりませんが、、、
それは幸せな未来?
外国産豚肉を食べる機会が増えることは、果たして良いのでしょうか?
私の考えでは、良いです。
私たちは、学校で自給率の向上が大事と無思考に教えられます。
でも、国産豚肉業界はフェアに見て、生活者のことを考えて行動できていないです。
当然、業界で働く1人1人は、生活者の事を考えて働いていらっしゃると思います。
ただ、業界対業界で外国の豚肉業界と比較すると、外国の優位性は明らかなのです。
この点の詳しい記事はこちら
外国産豚肉って安全なの?どうして安いの? - ぶたぞーブログ
一言で言えば、外国産の豚肉は日本と比較して圧倒的な生産性の高さで生産されています。
この点の詳しい記事はこちら
国産豚肉産業の未来は明るいのか? - ぶたぞーブログ
最近で言えば、日本は豚コレラの拡散を抑えられていません。
日本の豚肉業界は、安全にコストをかけられないことが要因です。
日本は生産性が低く、あらゆる面でコストをかけることが難しいのです。
例えば、カナダではよくある規模の養豚業者(日本の通常の業者の500倍ぐらいの大きさ)であれば
豚肉を運ぶトラックも自社で保有していることが普通ですし、トラックの洗浄設備も持っています。
詳しくは、日本で大きなシェアを持つ養豚企業のホームページをどうぞ
安全・安心へのこだわり | ハイライフポーク | カナダの自然と愛情が生んだ日本人のためのHyLife Pork
また、配送を防疫の面から安全に実施しているかの第三者による確認も毎年実施していることが当然です。
残念ながら、今回の我が国の豚コレラ感染は、洗浄が不十分な配送トラックが拡散させた可能性があるようです。
カナダやアメリカなどは、養豚をする環境として優れていますし、凄まじい自助努力で圧倒的な規模を手に入れ、設備投資もしています。
なので、豚肉の生産は彼らに任せておいた方が長期的に良いものがつるれるでしょう。
一度自給率低下 → 残念なこと
という考えは考え直しても良いかもしれません。
よりおいしく豚肉を食べる方法が開発されていく
私たちは、まだまだ豚肉をもっとおいしく食べる方法を知らないです。
どんどん、良いレシピが出てくると思います。
外国産豚肉には明るい未来がある
アメリカでは、ナチュラルビーフ・ポークと言った健康志向の肉が沢山売られています。
関連記事はこちら
ナチュラルビーフ・ナチュラルポークってなんだ? - ぶたぞーブログ
ただ、こう言った付加価値をつけた豚肉は、生産するのにコストがかかります。
そのコストがかかった上で、私たちの買いやすい価格でなければ結局お金持ちしか食べられないものになってしまいます。
つまり、外国産豚肉では付加価値豚肉が成立する可能性が高いのです。
まとめると本格的な外国産豚肉時代の到来となりそうです。
肉ならなんでも売る立場の私ですが、外国産豚肉に力を入れていくことが世の中に貢献する近道になるでしょう。
まとめ
・過去50年間豚肉の消費は増えた
・特に外国産豚肉の消費が増えた
・自給率はすでに49%で過半を割っている。今後も低くなる
・外国産豚肉食べることで、幸せになれる(不都合がない)
・豚肉の食べ方は進化する
・付加価値のある豚肉は外国産でつくった方が買いやすい価格になる
・私は外国産豚肉に力を入れていく