豚バラは、アメリカやカナダでは高値がついて、日本やヨーロッパでは比較的安く買えるって知ってましたか?
実は、豚肉は国によって好まれる部位が大きく異なり、それに伴い価格も全然違うのです。
また、私たち食肉業界の人間は、国によって異なる価格の違いを上手く利用して活用しています。
目次
アメリカでは豚バラの価値が高い
2月上旬アメリカに出張で行く機会がありました。
アメリカなどの外国へ行った際は必ず現地のスーパーマーケットを視察します。
スーパー業界はアメリカが発祥の地とされていて、学ぶべきことが多いのです。
アメリカのスーパーではベーコンの売り場スペースがとにかく広いと感じます。
ベーコンだけで5メートルぐらいの売り場ができています。
また、種類も20種類近くあるんじゃないでしょうか?
肉業界にいる私が見てもなんでこんなにベーコンがスーパーに必要なのかわかりません。
ただ、実際必要なのでしょう。アメリカ人はベーコンが大好きなのです。
その結果アメリカではベーコンを作る部位、つまり豚バラの価値が高いです。
具体的には、日本国内でアメリカ産の豚バラはキロ当たり850円前後で業界内で取引されます。
それに対して、アメリカ産のロースは600円/キロ前後といったところでしょう。
日本では豚バラが安い
それに対して日本では、豚バラの価値が低いです。
具体的には、バラが950円/キロ前後でロースが1200円/キロ前後と言ったところです。
ちなみに、これらの価格は18年2月の相場に基づきます。
豚肉は相場品なのです。関連の記事はこちら
豚って相場品って知ってる? - ぶたぞーブログ
でも、日本のバラの方がアメリカのバラより高いじゃんと感じた方はこちらの記事を見てください。
国産豚肉産業の未来は明るいのか? - ぶたぞーブログ
日本人は「肉はロース」という価値観が定着しているように思います。対して、アメリカ人は「豚はベーコン」という価値観なのでしょう。
日本は畜産が強い国ではないので、豚に残飯などを食べさせて育てていた期間が割と長いことあったようです。多分40年以上前の話ですが、、、
そう言ったエサで育てた豚のバラはとても不味かったと現在60歳の先輩から聞きました。
その頃の名残で、豚肉の部位を上級部位と裾モノと区別して呼ぶことがあります。
上級部位とはロースのことです。
裾モノはウデ、モモ、バラのことです。
ウデやモモは今でも、価格が安い部位です。
昔は完全にこれらの部位と豚バラが一括りになっていたのです。
そう言った意味では豚バラの価値は日本でもどんどん高まって来ていると言えます。
豚肉の部位に関しての記事はこちら
豚肉の部位 - ぶたぞーブログ
ヨーロッパでも豚バラは安い
実はヨーロッパでも豚バラの価格は安いです。
彼らは生ハム原料のモモを頂点として赤身系の部位に価値観を感じています。
そのため、豚バラは脂が多く価値が低い肉となるわけです。
国によるバラの価格差を利用する
私はこの業界に入ってバラの価値観がこんなにも違うことに驚きました。
豚バラなんて世界のどこへ言っても同じでしょと思ってましたが全然違うのです。
私たちが大好きな牛タン焼肉だって、アメリカ人は気持ち悪がって食べません。
ただ、国による価値観の違いを食肉業界は上手く活用しています。
冬になると鍋用で豚バラしゃぶしゃぶが沢山売れます。なので、バラの安いイタリアやスペインからバラを輸入して販売します。
そもそも国産の豚バラだけでは国内需要を賄えないです。
ヨーロッパのバラを販売することで安く仕入れて高く売ることができるのです。
まとめ
アメリカでは豚バラの価値が高い
日本やヨーロッパでは豚バラの価値が低い
国別の豚バラの価値観の違いを利用することで儲かる
こちらは、ヨーロッパのバラなので安く買えますね。
- 出版社/メーカー: The Meat Guy
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る