今日は食肉業界へ就職を考えている人向けに食肉の営業をお伝えできたらと思っています。
私はスーパーの中のお肉屋さんへ豚肉、牛肉、ウインナーなどを販売する仕事をしています。
ですので、お肉屋さんにお肉全般を売る仕事です。
お肉屋さんというと皆さんはどんな人とイメージをもっているでしょうか?
私はこの仕事を始めるまでは特にイメージがありませんでした。
ただ、大学時代の研究室の教授が食肉の営業をすることになった私に肉屋は怖いぞと教えてくれました。気が短くて、怒ったら包丁を投げつけてくると言われたことを覚えてます。
最初に言ってしまいますが、そんなことはありません。10年近くこの仕事をしていますが、そのような怖い思いをしたことは1度もありません。ご安心を。
目次
営業する相手。お肉屋さんはどんな人達?
まずは食肉営業マンにとってのお客様お肉屋さんについてです。
前述の教授からは気が短くて包丁を投げてくると脅されました。
実際はどんな人達なのでしょうか?
結論としては、いろいろな人がいるので一言では言えません。
ただ、気づいたら肉屋で働いていたという人が多いです。たまたまバイトで配属された部門が精肉で、そのままそこに就職したんだよといった感じです。
肉が好きでとか、昔から肉屋になりたかったって話は聞いたことがないですね。
だからと言って嫌々やっていると言うわけではなく前向きに淡々と仕事している方がほとんどです。
気になる気性はと言うと、おっとりしている人から、昔は明らかにヤンチャしてた感じで怖そうな人まで様々です。
お肉屋さん日々のスケジュール
お肉屋さんの朝は早いです。お店は9時半ぐらいから10時には開店するので、7時ぐらいから仕事を始めます。
開店前までに鮮度の良いお肉を売り場に並べる必要があるので7時から11時ぐらいまでが非常に忙しいです。
なので、この時間は基本的に連絡したらダメな時間帯です。
午前中が終わると、夕方の販売ピーク前までは少し余裕ができます。このタイミングが営業しやすい時間帯ですね。
また、4時前ぐらいから忙しくなり5時半ぐらいから片付け掃除になります。
まあ地域やお店の規模でかなり違いますが、平均的にはこんな感じだと思います。
食肉の営業はどんな肉を売るのか?
多くの場合、営業する肉の範囲は広いでしょう。牛、豚、鶏、ラム、加工肉とお肉売り場に置いてあるもの全般を営業します。
生肉は部分肉と言って部位ごとに切り分けられた大きなブロック肉の状態で納品します。
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その中で、お肉屋さんの求めている肉を提案するわけです。求められている肉。それは、ズバリ店頭で売れて儲かる肉です。
まあそんな肉なかなか無いから困ってしまうのですが、、、
営業(商談)は何をしているの?
スーパーであれば、買い付け担当のバイヤーさんと月に1回から数回商談をします。
新商品の案内をバンバンしているイメージがあるかもしれませんが、新商品なんてそんなにありません。
むしろ今すでに納品していて、店頭で販売していただいている商品の話がほとんどです。
今の売れ行きの確認、商品の品質の確認、上手にその商品を売っている他のお店の事例を伝える。そんな話をします。
また先でどれ位の数量を使っていただけるかを、聞き取ることも大事です。生鮮品なので、賞味期限も短いです。
いつどれだけ必要かは聞き取れていないと後々トラブルになります。
こう言った地味な商談を数年繰り返し、バイヤーさんから少しずつ信用してもらえるようになるのが一番の仕事な気がします。
食肉の営業に必要な能力とは
私は学生時代営業のイメージは弁が立ち、誰とでも仲良くなれるような社交性がある人が活躍できる職業だと漠然と思ってました。
でも実際に就職して営業を続けていくうちにイメージは間違っていたなと気づきました。
能力?自社商品の商品力
バイヤーさんの目的はシンプルです。継続的に売れて儲かる肉を持ってきて欲しい、それだけです。
なので、自社の肉に商品力(売れて儲かる力)があることが大前提となります。
就職を考えている方は、就職したい会社の商品は商品力があるか研究しておく必要があります。
どんなに良い営業マンでも商品が悪ければ継続的に販売することは難しいでしょう。
食肉の知識
次に食肉の知識を身につける必要があります。深い知識では無くて良いですが、相場の見通しや食品表示にかんすることなど幅広い知識があると重宝してもらえます。
ただ、これは会社に入ってから積極的に学べば知識はどんどん増えていきます。
信用される力
営業を実際にやってわかりましたが、バイヤーさんに一緒に仕事をしたいと思ってもらえるためには信用されることが一番大事です。
バイヤーさんが営業に求めているのは、弁が立つことでも、社交性があることでもないのです。
ただ、信用してもらうためには、地道さが欠かせません。時間がかかります。
信用を勝ち取るためには、約束を守るをひたすらに繰り返す必要があると思っています。
約束とは何も難しいことではありません。指定された納品日に商品を届けることや商談の時間に遅れないなどです。
それでも、長いこと仕事をしていると台風の日も、産地から商品が十分に届かない日もあります。そんな時でも、全力を尽くして約束を守るのです。
そういった繰り返しができると信用してもらえると感じています。
結局泥臭い世界なのです。
どんな人が肉業界で営業をしているのか?
私は大学で畜産を学んでいました。でも、畜産の勉強をしていてこの業界に入ってくる人は意外と多くはないです。
ほとんどの人は畜産とは関わりがない中でこの業界に入ってきています。食べることが好きだからとか、食品業界安定してそうだからと言った感じでこの業界に興味を持った人が多いのではないでしょうか。
男女比は
圧倒的に男の割合が多いです。
女性は10人に1人いるかなって感じです。別に力仕事ではないので女性が不利って訳ではないのですが、、、
勤務形態
水曜日と日曜日休みが一般的です。土日休みのところもあります。
労働時間ですが、就職先によって様々だと思いますが、総じて朝7時半ぐらいから夜7時ぐらいまでがオンタイムの人が多いように思います。
給料
平均年収は500万円から1,000万円ぐらいでしょうか。
仕事内容はさして変わらなくても、就職先が大手か中堅かで給料は大きく変わります。
しかも大手の営業マンが能力が高いかと言ったらそうは思えないので給料を考えると大手に就職するに越したことはないのかなと思います。
食肉の営業に興味をもっていただけたでしょうか?魅力をあまり語れていないと思いますので、最後に少しだけ魅力を書きたいと思います。
それは安定性だと思います。今の世の中は変化のスピードが異常に早いと思います。SFの世界と思っていたAIに仕事を奪われる可能性が目前に迫っています。
でも食肉の需要は人類が生きている限りあるでしょう。また、食肉の良し悪しの見極めはまだまだ人が五感で確認する時代が続きそうです。
肉は見て、触って、臭いを嗅いで、食べて味わってでないと良し悪しを判断できないのです。なので、この仕事で培った能力はまだまだ生かすことができると思うのです。