豚の小間切れって知ってますか?それは知ってるよ。この写真の豚肉だろって方がほとんどと思います。
でも、豚のどこの部位を使ってるか知ってますか?何で安いか知ってますか?切り落としと何が違うか知ってますか?
偉そうに言ってますが、私はちっとも知らなかったです。
この業界に入るまでは。
でも学生時代に一人暮らしを始めて自炊をするようになって一番お世話になった豚肉は豚小間でした。
今日は皆さんにとっても馴染み深い、それなのに意外と良くわかっていない豚小間についてお話ししたいと思います。
そして知られざる豚小間の素晴らしさをお伝えできたらと思っています。
目次
豚小間はどの部位で作られているのか?
豚肉にはロース、バラ、肩ロースなど様々な部位があります。
部位に関する記事はこちら
様々な部位がある中で、豚小間に使用される部位、それはズバリ「ウデ」です。
様々な部位の切れ端が入ると認識されている方もいるようですが、ウデ以外を小間にしているところを見たことがありません。
確かに他の部位が混ざることはあると思いますが、ほとんどの場合は「ウデ」だけで小間を作っています。
豚ウデを見てみよう
ウデは 前足の骨を囲む筋肉であり、小さな筋肉がいくつもついた複雑な部位です。
こちらが、ウデの商品化前の写真です。……何これって感じと思います。
これをスライサーと言われる肉をスライスする専用の機械で切ると豚小間ができるんです。
スライサーで豚小間ができる様子の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=u9l0OHJ9J_swww.youtube.com
そんなことないでしょって思うかもしれませんが、本当です。
なんで豚小間は安いのか?
次に、豚小間が安い理由ですが、原料となるウデが安いからです。
ウデはかたく、小間にして安く販売するしかないと肉業界全体で思っている節があります。だから、ウデは安いのです。
小間切れと切り落としの違い
豚小間と切り落としって何が違うのって思ったことありませんでしょうか?
そう思ったことがある方は、とても観察力があると感じます。
どちらも見た目変わらないですよね。皆さんは違いってわからないと思います。
どちらかと言うと売る側で区別したがっている表現です。
切り落としは価値のある商品で、小間は価値の低い商品との位置付けにしたいのです。
切り落としは、ウデ以外の単一部位(ロースのみとか肩ロースのみとか)を2ミリ厚程度でスライスした商品です。
小間は、ウデ、もしくはいろいろな部位を混ぜて2ミリ厚程度でスライスした商品です。
そのため、切り落としのスライス一枚を広げてみると大きさが整っております。
小間は、ウデが複雑な筋肉であり、スライス一枚の大きさはばらつきます。
また、さまざまな部位が混入する場合もスライス一枚の大きさはばらつきます。
まとめ
どうでしたでしょうか?知られざる豚小間の秘密がわかっていただけたでしょうか?
豚小間って実際安いんですが、本当にお得な商品だと思います。
この業界に入る前は、私は安い肉は悪い肉だったり、不味い肉だと思ってました。でも、真実は違うのです。
豚小間は悪い肉ではありません。豚ウデです。
しかも、豚ウデは味のある部位であり、ある程度の薄さのスライスに商品化(つまり豚小間切れ)すればかたくもありません。
だから、悪くも不味くもありません。
これからは自信を持って豚の小間切れを買っていただけたらと思います。
もちろん価格重視で豚小間を買うのはありです。ただ、今日はしっかり味のある豚肉で炒め物をしたいって時に敢えて豚小間をチョイスするのもありなのです。
十数年前の自分に言ってやりたいです。豚小間しか買えないとか残念がってんじゃねー。豚に失礼だぞって。